除染作業員が寝泊まりする仮設宿舎に関する取材で、
日曜から福島県双葉郡へ。
原発20km程度圏内で、放射線量が比較的低く、
高台で津波の被害を受けなかった広い土地は、
ほとんど国や東電や建設会社が借り上げており、
復興関係の事務所や作業員用の仮設宿舎になっている。
復興関係の事務所や作業員用の仮設宿舎になっている。
仮設宿舎はプレハブ造りだったり、窓、ドア、ユニットバス
などをつけて、ワンルームに仕上げたコンテナだったりする。
こういった仮設宿舎ができる前は、近隣の宿の大広間で、
段ボールを置いてなんとかプライベートスペースを作って
雑魚寝するか、
雑魚寝するか、
現場から離れた場所に寝泊まりして、毎朝車で2時間ほど
かけて通うかしかなかったそうだから、
(もちろん現在もそれしか方法のない場所がたくさんある)、
『現場近くのワンルーム』と聞くと、それは待遇がいいなあ
『現場近くのワンルーム』と聞くと、それは待遇がいいなあ
という感覚になる。
土盛りした広場に、こういったワンルームのコンテナを
ずらりと置いて、『民宿』として看板を掲げている所も
たびたび目に入る。
コンテナのひとつを朝食用の食堂にして、バイキングで、
ご飯、味噌汁、ゆで卵、漬物、納豆、梅干しなどが出る。
普通の民宿と違うのは、これらの朝食が午前4時半から
用意されていることだ。
近隣には、住民が帰らず空家のまま放置されている民家が
目立つが、まばらながら、開店している飲食店もある。
特に夜はそういった店に作業員たちが集中するようで、
焼酎のボトルが棚にぎっしりと並び、建設会社らしき名札が
神社の絵馬のように重なり合ってぶら下がっていた。
田舎の飲食店は、どこもとにかく駐車場が広いのが特徴だが、
ある飲食店は、大きな駐車場を半分潰して、コンテナ民宿を作り、
『飲食+宿泊』として営業していた。
『飲食+宿泊』として営業していた。
原発事故後は、客だった地元民が消えてしまったのだから、
苦肉の策でしかないが、作業員の気持ちになると、
こんな嬉しい宿泊所はないよなあと思う。
こんな嬉しい宿泊所はないよなあと思う。
続々と建設されてゆく作業員宿舎だが、
土地や施工会社をめぐっては、利権争いが絶えないようだ。
私が取材した海沿いのとある宿舎建設予定地も、
利権を主張する人物がダンプカーで乗り込んできたり、
事業主のご家族が都内の自宅近くで暴行を受け入院したり、
とにかくすさまじい妨害工作があったと聞いた。
地鎮祭の取材で現場にいたときも、地元の施工会社が車で
乗り付けてやってきて、ごちゃごちゃと言っていた。
利権、利権、利権。
うんざりしてくる。